今回は革製品を作るために必要不可欠な道具の一つ、接着剤についてお話ししようかと。

現在KASANEで使用している接着剤は大まかにサイビノールという木工用ボンドみたいな見た目の革用接着剤と、ホットメルト機という機械を使うものの2つになります。

サイビノールは革の片側に塗って乾く前に貼り合わせる、といういわゆるボンドのような使い方です。

ホットメルトは両面テープと同じような使い方が出来て、塗った部分は時間が経っても粘着力は落ちないので、広い面などの貼り合わせるまでに時間がかかるような部分に利用したり、ミシンで縫う部分の仮止めに使用しています(ただ、手縫いの部分をホットメルトで仮止めするとベタついて針の通りが悪くなるので、手縫いの場合の仮止めはサイビノールを使用しています)。

過去にゴムのりという、乾いてから粘着力を発揮し、貼り合わせる革の両方に塗って使う接着剤を使ったこともありますが、広い面の貼り合わせには便利な特性ではありますが、綺麗に薄く塗るのがなかなか難しく、匂いもキツかったのでレギュラーには至りませんでした。

そんな中、満を持して導入を始めた新しい接着剤があります。

その名はエコピ!(ECHO p-208)

なんだか可愛らしい愛称ですが、こちら乾く前であれば片側にだけ塗って接着が可能で、逆に両側に塗れば乾いてからも接着できる、というサイビノール・ゴムのりのどちらの使い方もできるのです。

しかも質感はサラサラとした乳液のような感じで、薄く広い面を塗り広げるのにも適しております(乾いた部分を触ってみると、ゴムのりがもう少し柔らかくなったような感触がします)。

さらに言うと、匂いもゴムのりのようなシンナー臭さもありませんので、化学薬品系の匂いが苦手な人にも良さそうです。

これだけ言うと「もうこれだけでもいいんじゃないか?」となりそうですが、大きな問題点があります。

それは「すごい高い」ということ。試しにサイビノールと比べてみるとこうなります。

  • サイビノール 1kg ¥1,930
  • ECHO p-208 1kg ¥6,160 → サイビノールより¥4,230高い!

同じ値段でサイビノールだと3kg買ってもお釣りが来ます。

こう見ると「これじゃ趣味でちょっと使うなら良いけれど、大量に使うのには厳しいよね・・・」と思うかもしれませんが、便利で作業効率が上がる点はもちろんありますし、クオリティアップにも繋がれば、必ずしも負担になるとは限りません。

また、エコピは有機系溶剤不使用の「水性のり」となっており、環境問題にも配慮した商品として注目されています。

いわゆる「サステナブル(存続可能)」な社会実現のために、ヨーロッパの一部ブランドは、商品に使用する接着剤を水性のりに切り替えた事例もありますし、日本の大手ランドセルメーカーもエコピの採用を決めた、という情報も聞いております。

KASANEでも、いますぐすべての接着剤をエコピに!というのは難しいですが、少しでも環境に配慮できる点については積極的に改善していこう、と考えています。

なんだか接着剤の紹介から環境問題へのお話という壮大な話に変わってしまいましたが、ひとまず今回はこんなところで失礼します。